夕遊庵

福島県いわき市には数多くのかまぼこメーカーが立地し、全国でも有数の生産量を誇ります。なかでも「夕月」は全国に名を馳せる大手メーカーの一つです。そんな「夕月」が今年6月、直売所を一新。「夕遊庵」として新たにオープンしました。「夕遊庵」では伝統的な板かまぼこなどに加え、「やなぎっこ」や「はまドック」といったユニークなオリジナル商品の販売も。老舗メーカーが新たな商品開発に挑む想いを伺ってきました。

 

全国有数の生産規模を誇る老舗メーカーとして

「夕月」は昭和38年の創業。創業以来の主力商品である「板かまぼこ」は1日に10万本もの生産量があり、その規模は全国有数です。こだわりは徹底した温度と時間の管理、そして、商品ごとに異なる原料のブレンド。長年積み上げたノウハウを活かし、常に高い品質を保った商品を作り続けています。「なんといってもメインは主力の板かまぼこ」と事業長の四家さん。全国に名を馳せる作り手として、プライドを感じる言葉です。

  

しかし、このところの魚食離れの傾向には大手のメーカーでも頭を悩ませているといいます。「かまぼこが魚から作られることを知らない子供もいる。このままでは日本の伝統食であるかまぼこが次の世代に引き継がれない。」四家さんは危機感を強めます。

 

伝統を次の世代に引き継ぐための、新たな挑戦

「かまぼこを通じて、子どもたちに魚の美味しさを知ってもらいたい。」「夕月」ではどうしたらいわきの伝統文化であるかまぼこをわかってもらえるかを常に考え、かまぼこ作りを体験できる施設を作ったり、小学生の社会科見学を積極的に受け入れたりと、これまでにも様々な取り組みを行なって来ました。

  

 

そして、さらなるかまぼこの消費拡大を狙い、現在取り組んでいるのが新たなオリジナル商品の開発。いわきの名産である「ヤナギカレイ」がモチーフのチーズ入り焼きかまぼこ「やなぎっこ」や、甘めのすり身をサクサクの衣で包んだ「はまドッグ」など、これまでのかまぼこのイメージを覆すような商品を次々と生み出して来ました。さらに、いわき七浜を擬人化したキャラクター「いわき七浜イケメンプロジェクト」とのコラボも実現し、女性や子どもなど、今までかまぼこからは遠いと思われていた層にも、かまぼこの美味しさを伝えられるよう工夫を凝らします。

  

  

現在は「ななはまの詩」に続く新たなオリジナル商品の開発も進んでいるのだとか。老舗かまぼこメーカーのあくなき挑戦に、今後も目が離せません。

  

 

店舗情報

会社名

夕遊庵
住所 福島県いわき市泉町滝尻字松原55
TEL 0246-75-0501
代表者 清水 淳子

 

 

販売店

夕遊庵、ほるる売店、他